「クラフトビール大研究」 2012年クラフトビールは来る!?

イベント レポート

更新日: 2012年07月19日

本サイトでも案内していましたフードスタジアム主催のイベント

「クラフトビール大研究!!」
 
が、2012/01/30 、ビール激戦区の渋谷にて開催されました。
イベントは2部構成になっています。
 
第一部:クラフトビールの魅力とマーケットの今後
    講師:ライ・ベヴィル氏「Japan Beer Times」編集長
 
第二部:パネルディスカッション「クラフトビールを大いに語ろう!」
 
【パネラー】
 
第一部の模様は、生ビールブログにて麦酒男さんがレポートされています。そちらをご覧下さい。
   クラフトビール大研究「クラフトビールの魅力と今後」
 
ここでは、クラフトビール業界で、今、最も熱いメンバーがクラフトビールに対する思いを語った第二部のパネルディスカッションをレポートします。
 
基本的に、パネルディスカッションの臨場感を大事に、発言の真意を曲げないように注意し、テキストを書きました。しかし、あくまでも僕が聞いて記載した内容ですので、以下の文章の責任はすべて僕にあります。その点、ご承知下さい。
 
少し長いテキストになりますが、楽しいので是非読んでみてください。
 

パネルディスカッション開始

 

【藤原ヒロユキ氏(ビアジャーナリスト)】

本日、こんなにたくさんの方に集まっていただき、大変うれしいです。ありがとうございます。
今年は、クラフトビールが来ると言われていますが、その辺についてぶっちゃけた話ができたらと思っています。
今日は、クラフトビールのパブの方、造り手の方、販売の方、すでにやられている方も、これから始めようと思っている方もいらっしゃっていると思います。
造り手の方、売る立場の方、それぞれの立場によって、考えていることもあると思います。
2012年、クラフトビールがどうなるか、ざっくばらんに語ってもらいます。
まずは、鈴木さん、どうぞ。
 
鈴木 真也氏

【鈴木 真也氏(「ベイ・ブルーイング横浜」代表兼醸造責任者)】

2012年、なぜクラフトビールが来るか。それは、僕が免許を取ったからです!(笑)
 
それは冗談ですが、同時期で、2012年1月に、甲府に「アウトサイダーブルーイング」さんが免許を取りました。
 

【藤原ヒロユキ氏(ビアジャーナリスト)】

あ、丹羽さんですね。「博石館ビール」というメーカーにいらした方で、岩手蔵に1年居て、今度独立された方ですね。甲府の駅から15分くらいだそうですね。オーナーはオーストラリア人の方。
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/business/20120125-OYT8T00403.htm
 

【鈴木 真也氏(「ベイ・ブルーイング横浜」代表兼醸造責任者)】

はい、そうです。それ以外に、おそらく2月にスコット・ブリマーさんという方が川崎にブリマー・ブルーイングというのを立ち上げます。
http://www.brimmerbrewing.com/ja/
 
同時期に3箇所で始まるわけです。
僕が一番きてるな、と思うのは、他の醸造所で経験のある人が、始めるということですね。やったことが無い人が始めるのとは、ちょっと違うのではないかと思ってます。あと、他にもっとそういう方が増えて欲しいということもあります。
 

【藤原ヒロユキ氏(ビアジャーナリスト)】

経験のある方が独立するということですね。
それでは、小畑さん、売る立場から造る立場になったわけですが、その辺はいかがでしょう。
 
小畑昌司氏

【小畑 昌司氏(洗足「PANGAEA」オーナー)】

僕がビールを造り始めたのは、ちょっと不純な動機なんです。
最初、ブリティッシュパブをやってまして、ビールに詳しくなりたいと思いまして、いろいろ調べました。そうすると、海外からのビールは、運んでくる内に悪くなるってことが分かりました。現地で飲むビールと、日本で飲むビールは味が違うんですね。それで、国内に目を向けると、地ビールを造ってることが分かりました。最初は、ちょっと低く見てたんですが、ビアフェスとかに参加してみると、とてもいいんですね。それで、お店のビールを一部地ビールに切り替えました。それで、お店に来てくれる人に「美味しいですよ」と言うと、一杯は飲んでくれるんです。飲んでくれると、なかなかいいじゃないかと評価してくれます。飲んでもらえれば分かる。それで、お店のビール6種類を全部地ビールに切り替えました。切り替えるのに1年かかりました。
そのうち、ビアパブが増えてきました。そうすると、ただ地ビールを置いてあるだけじゃ、お客さんが来てくれなくなりました。特色が出ない。そこで、造ってみたらいいじゃないか、という人が居まして、じゃやってみるか、ということで始めたんですね。
自分が納得できるものを造るには少し時間がかかりましたが、今は、オンリーワンという意味で自信を持ってやっています。
僕が造ってみて一番思うのは、ラーメン屋さんですね。ラーメン屋さんも最初は既製品の麺を仕入れて、売っているわけです。でも、そのうちに麺を特注するようになり、さらに自家製麺を始めるところもあります。そういう感じかな、と思っています。
そんな風に始める人が居てもいいかなと。
その点で、能村さんは、どうかなと思うのですが。
 
能村夏丘氏

【能村 夏丘氏(高円寺「高円寺麦酒工房」オーナー)】

僕の場合は、まったく醸造技術が無いところから始めてます。元々ビールは大好きで、それで、ブルーパブというのが海外にあることを知りました。ブルーパブが自分の町にあったらいいなと思ったのが始めです。でも、ブルーパブは無いですから、無いものは作っちゃえということで始めました。
マニアックなことはやらないということを念頭においてやってます。お客さんが目の前で飲んでくれるので、反応を見ながら、今は、どんどん飲みやすさということを考えてやってます。
立ち位置としては、街のパン屋さんのようなビール屋さんでありたいと思ってます。パン屋さんて、どんな小さな町でも一軒ぐらいありますよね。高円寺にも何軒もあります。大手のパン屋さんもいいと思うんですよ。ランチパックをサッと買ったりね。小さなパン屋さんでは焼きたてパンが買えますよね。どちらのパンも買うと思うんですよ。今、ビールは小さなパン屋さんの「焼きたてパン」にあたるものが無いと思うんですね。「焼きたてパン」のようなビールがあればいいですね。
 

【藤原ヒロユキ氏(ビアジャーナリスト)】

パン屋さんの例えは分かりやすいですね。
ベアードさんはどうですか。
 
ベアード・ブライアン氏

【ベアード・ブライアン氏(ベアードビール代表取締役)】

ベアードビールは2000年に設立してます。小さな場所から始めました。今は、4店舗やっています。
この業界で、問題なのは、素人が多すぎると思うんですよ。造り手も売り手も含めてね。日本の消費者はとても洗練されているんですよ。95年に地ビールが始まって、250以上あったものが今は170ぐらいです。縮小してます。それは、美味しくないからなんですよ。大手のビールは完璧だと思います。非難する人が居るけどおかしいです。だけど、ラガーかピルスナータイプなんですよ。多様性が無いんですよ。もっともっとたくさんの種類のビールがあるんです。それが無いのがおかしいですよ。我々、小規模業者の使命のひとつは、そういう大手のビールが作っていないビールを造ることにあるんですよ。大手のビールは完璧だけど、複雑さには欠ける面があります。ビールはもっともっと複雑で、色んな味があるんです。クラフトビールはじっくり味わうんですよ。飲めば飲むほど最初気づかない味に気がつくんですよ。そういう意味で、まだまだ日本のクラフトビールは少ないんですよ。
 

【藤原ヒロユキ氏(ビアジャーナリスト)】

なるほど、もっと多様性が必要なんですね。
今度は、売る側の方に聞いてみましょう。
田中さん、いかがでしょうか。
 

【田中 徹氏(虎ノ門「クラフトビアマーケット」オーナー)】

そうですね。僕は、2012年はあまり爆発的にお店は増えないと思ってるんです。それは、クラフトビールの設備を作れる人が少ないんですね。今日来てらっしゃる堀さんとか、ポパイのオーナーの青木さんとか。やはり、プロの方にお願いするのがいいと思っていて、任せられるそういうエンジニアが少ないですね。
 

【藤原ヒロユキ氏(ビアジャーナリスト)】

確かに、今までは、大手のビール会社が設備を用意してくれて、はい始められます、ということですよね。
高橋さんはいかがですか。
 

【高橋 雄一郎氏(高円寺「萬感」オーナー)】

僕も基本的に増えないと思っていて、設備の面プラス、まだまだカルチャーとして一般的になってないですね。そういう意味では、売り手も造り手も努力が必要なのかなと思いますね。
 

【藤原ヒロユキ氏(ビアジャーナリスト)】

増えるんかな、と思っていたけど、結構厳しいようですね。
 

【田中 徹氏(虎ノ門「クラフトビアマーケット」オーナー)】

僕はワインの出身なんですが、ワインのお店だと、料理が美味しくてお店の雰囲気が重要なんですね。ビアバーは、まだ商品だけに気持ちがいっていて、そういうサービスとか、雰囲気とか、料理とか、他の分野のお店のレベルからすると、まだ同じレベルまでいってないのかなぁ、と思ってます。
 

【藤原ヒロユキ氏(ビアジャーナリスト)】

堀さん、施工する立場として、いかがですか?
 

【堀 輝也氏(有限会社ラフ・インターナショナル代表取締役)】

そうですね、ちょっと施工のことは置いておきまして。。
僕は、Goodbeer というECサイトをやってるんですね。今はボトルビールが伸びてまして、前年比30%で伸びているんですね。それを見ると、京都だとか、西側のお客さんが買ってくれてるんですね。それは、近所のお店にクラフトビールが置いてないからじゃないのかな、と思ってます。生だけじゃなくて、ボトルビールも可能性がありますね。
 

【藤原ヒロユキ氏(ビアジャーナリスト)】

なるほど、ボトルビールも可能性があるわけですね。
 
ライさん、そういえば、京都とかニセコとかありましたよね。
 

【ライ・ベヴィル氏(Japan Beer Times 発行人)】

そうですね、京都のうどんやさんとか、燻製のお店で、クラフトビールを置いているお店とかありますね。クラフトビール専門店が増えるかどうかは分からないけど、既存の飲食店で、ひとつかふたつのタップをクラフトビールにするという流れがあるかもしれませんね。これから、福岡とか逗子とか横浜、鎌倉でもクラフトビールを置く店が増えるという話を聞いています。横浜のアポロという、大手のビール以外でクラフトビールのタップを2種類入れて、うまくいっているお店もあります。
 

空冷と瞬冷に味の違いはあるか?

 

【藤原ヒロユキ氏(ビアジャーナリスト)】

それでは、ここで質問を受けたいと思います。
 

【質問者】

同じ条件で空冷と瞬冷で味の違いを確かめた人は居ますか?
 

【鈴木 真也氏(「ベイ・ブルーイング横浜」代表兼醸造責任者)】

瞬冷と空冷は、開けたて初日はほぼ味が変わらない。2日目以降は、劣化具合が変わります。やはりずっと冷蔵されているのとそうではない場合は、違います。あと、僕のところのような小さなメーカーの場合は、酵母を除去できないので、瞬冷のところには出せないという事情があります。できれば、空冷のところに出したいですね。
 

【ベアード・ブライアン氏(ベアードビール代表取締役)】

保存されている温度と注がれる時の温度はなるべく一致させるべきなんですよ。お客さんに美味しく飲んでもらおうという姿勢が大事なんですよ。正しく、洗浄されていない例が多すぎるんですよ。空冷と瞬冷では、洗浄も変わってくるんですよ。別にお金はかけなくていいんですよ。お金が無い頃にも工夫して、7℃とか8℃になるようにやってましたよ。意思があれば方法は必ずあるんですよ。やろうという意思と努力が大事なんです。(パチパチと拍手)
 

【能村 夏丘氏(高円寺「高円寺麦酒工房」オーナー)】

え?、真逆なことを申し上げるようなんですが、作ってて劣化は経験します。ただ、劣化しやすいビール、劣化しにくいビールがあると思うんですよ。メーカーとしては、瞬冷で劣化しにくいビールを造るのもメーカーの使命かなと感じてます。クラフトビールを広めるためには、そういうメーカーの努力も必要かなと思います。
 

【小畑 昌司氏(洗足「PANGAEA」オーナー)】

まず、質問者の質問に答えます。空冷と瞬冷を言わないで出したら、味の違いは分かりません。言われて出されても、初日だったら分かりません。ただし、2日目、3日目には違いが出てくると思います。出す時と同じ温度に保存するのがベストです。
でも、それを要求するといきなりハードルが高くなると思います。地ビールを広めるためには、ハードルを下げる工夫をするべきだと思うんです。どんな方法であれ、ハードルを下げて、地ビールを広めないといけないんです。なんで、僕が今、「地ビール」と言っているかというと、「地ビール」と言った方が皆さんに伝わるからです。裾野を広げないといけないんです。
私の知り合いで、鎌倉でワインを飲み歩いている人がいるんです。その人がある時、行きつけのお店の冷蔵庫にベアードビールのスルガベイIPAが置いてあるのを見て、マスターに美味しいの?って聞いたら、美味しいよって言うわけです。じゃ、飲んでみようってわけで飲んでみると美味しい。そうすると、地ビールって美味しいんだ、って分かるわけです。小さいお店であればあるほど、お客さんは、マスターを信用しているわけです。ワインのお店でも信用されているマスターが勧めれば、飲んでみるわけです。そうすれば、そのお店は、スペインバルだけど、ワインも料理も「ビールも」美味しいお店になるわけです。そんな風に普通のお店で扱うようになることで、クラフトビールが広がっていくんです。品質を高く保つことは大事ですが、まずは置いてもらって、クラフトビールの魅力を知ってもらわないといけないんです。(パチパチ、と拍手が起きる)
 

【田中 徹氏(虎ノ門「クラフトビアマーケット」オーナー)】

一般のお店でも空冷の設備は、大手メーカーさんのカタログにあるんです。そして、カタログの下に、「私たちはビールの美味しさを100%出すために推奨してます。」と書いてあります。だから、その設備を導入すればすぐにでもできると思います。
 

【高橋 雄一郎氏(高円寺「萬感」オーナー)】

僕が教わった人は、振動が良くないと言ってました。だから、外付けの空冷設備のあるものがいいよ、ということでした。ただ、僕はその違いが分からないので、それはマストじゃないのかなと思います。
 

【小畑 昌司氏(洗足「PANGAEA」オーナー)】

今、違いが分からない、とう話がありましたが、ワインや日本酒と違って、ビールは悪くなった状態について勉強する機会が滅多にないので、知らないことは分からないと思うんです。どんな機会でももっと知る機会が増えてくればいいのですが。
 

クラフトビールは儲かる!?

 

【藤原ヒロユキ氏(ビアジャーナリスト)】

他に質問はありますか。
 

【質問者】

経営戦略セミナーということなんで、質問なんですが
皆さん、儲かってますか?
いろいろな価値観があると思いますが、それも含めて、経営的なことを聞いてみたいです。
 

【ベアード・ブライアン氏(ベアードビール代表取締役)】

売り上げはすごい伸びてるんですよ。でも、メーカーは常に次のステップを考えて投資しないといけないんですよ。ビールはもっと人間を幸せにするためにあるんですよ。いいビールを提供したいっていう気持ちで一歩一歩やるしかないんですよ。時間はかかるんですよ。でも、そうすれば、お金も付いてくるんですよ。原価率はそんなにこだわることはないんですよ。
 

【藤原ヒロユキ氏(ビアジャーナリスト)】

田中さん、原価率から考えたら、ビールを扱ったほうがいいんじゃないですか?
 

【田中 徹氏(虎ノ門「クラフトビアマーケット」オーナー)】

うちは、「クラフトビアマーケット」という名前なんですが、クラフトビール以外にも大手3社のビールを扱ってますし、暑い時はハイボールや寒い時期はワインも扱ってます。ドリンク全体で、15%が大手のビールで、さらに15%がハイボールやワインで占めてます。そちらのほうが原価率は低いです。そういうメニュー構成の工夫はしてます。儲かるビジネスモデルとは言えないかもしれませんが、とにかく集客を目指してます。
 

【ベアード・ブライアン氏(ベアードビール代表取締役)】

ポパイの青木さんが適任なのかもしれないけど、15年前ぐらいに普通の居酒屋を転換して、クラフトビール専門店にしましたね。結構時間がかかったとは思うんですけど、今はちょっと違うと思うんですよ。今は、少しだけ追い風が吹いていい風が来てると思うんですよ。
 

【ライ・ベヴィル氏(Japan Beer Times 発行人)】

クラフトビールを扱うと心が豊かになると思います。美味しいビールをだせたら、満足できると思います。そういうポイントも大事だと思います。
 

【高橋 雄一郎氏(高円寺「萬感」オーナー)】

僕は、飲食店としてクラフトビールは魅力的だし、儲かる商材だと思ってます。事業を始める時にニュースになることをしなきゃいけないと個人的に思っていて、今の時代はクラフトビールはニュースになると思うんです。僕もいくつかのメディアに取り上げていただきました。ビジネス的な商材としては、利用のしがいがあると思うんです。
プラス、モノを売るだけじゃ駄目で、ストーリーをつけなきゃいけないと思います。その点、クラフトビールは全国のブリュワリーさんが季節毎にいろいろ工夫して出してくれるのでやりやすいと思います。
原価率だけでいうと、クラフトビールは悪いので、楽して儲けたい人はやらない方がいいと思いますけど、全体で工夫すれば原価率は30%に納まってるので、難しい商材じゃないと思います。今、現在、うちも飯が食えてるので大丈夫だと思います。
 

【小畑 昌司氏(洗足「PANGAEA」オーナー)】

うちは純粋なブリュワーじゃなくて、正直、コストを下げるために始めました。儲かるかといわれると、ビールだけ売ってると儲からない。利益率じゃなく、利益の幅を固定しちゃえば、いっぱいいくらで計算でき、フードの比率を上げていけば、セットで利益が出ると思います。
例えば、1つの会社で何軒もお店を持ってる会社さんだったら、発泡酒免許の6KLはクリアできると思うんです。そういうところで、プロのブリュワーさんを引っ張ってきて、自分のところで工場を立ち上げちゃえば、これほど面白いビジネスモデルはないと思うんです。
 

【ライ・ベヴィル氏(Japan Beer Times 発行人)】

儲かるかどうか、ということなんですが、逆につぶれるかどうか、と考えてみると面白いかもしれません。この10年を考えてみると、クラフトビールを扱っているお店はあまりつぶれてないです。もちろん、無くなったお店もありますが、他の業態のお店に比べると少ない。魅力があるから、経済的な状況が変わっても、あそこに行こうとなってつぶれにくいのかな、と思います。
 

クラフトビール・ショップ成功の秘訣は?

 

【質問者】

熱海で、ベアードビールを昨年(2011年)の12月から扱い始めました。もともとは電気屋です。2012年は、クラフトビールは来るよ、ということでしたら、成功されているお店で、何かノウハウがあれば教えて欲しいです。
プレミアムビールとしてのクラフトビールの売り方でなにかうまい戦略があれば、知りたいです。
 

【ベアード・ブライアン氏(ベアードビール代表取締役)】

クラフトビールを飲食店で販売する、なにか、賢いうまいやり方って無いと思うんですよ。本当にいいビールを自分で選別して、自信を持って出して、客と熱く話しながら、啓蒙してファンを一人ずつ増やすしか無いんですよ。僕が一番誇りに思っているのは、客層の質。クラフトビールを好きで飲みに来る人は、一人前の大人で紳士しかいないし、女性の方も同じですよ。女性の方も、クラフトビールはすごい喜んでもらってるんですよ。地道にやっていれば、クチコミで広まるんですよ。クチコミの力はすごいんですよ。
 

【田中 徹氏(虎ノ門「クラフトビアマーケット」オーナー)】

先日、うちの店が「料理通信」にビア・バルということで紹介されたんですが、イタリアン・バル、スペイン・バルのビールバーということで、カジュアルに気軽に来てくれたらいいと思っています。普段、一般のお客さんが行っているお店のいいところを分析して、それをうまくクラフトビールに落とし込んでいくのがいいと思います。
 

【鈴木 真也氏(「ベイ・ブルーイング横浜」代表兼醸造責任者)】

僕たち、クラフトビールメーカーが作るビールは全て大手メーカーさんでいうところのプレミアムビールだと思っています。今は、まだ小さいので、流通には乗せられないんですけど、もっと大きくなって流通に乗せたいと思っています。
 

クラフトビールの価値と面白さ

 

【藤原ヒロユキ氏(ビアジャーナリスト)】

では、最後の質問をお願いします。
 

【質問者】

クラフトビールの価値と面白さを教えていただけませんか。
 

【能村 夏丘氏(高円寺「高円寺麦酒工房」オーナー)】

造り手としては、造っててこんなに楽しいモノは無い。一生やってもまだまだ分からないんじゃないかと思う奥行きを感じてます。売り手としては、こんなに取っつきやすいお酒は無いと思います。先日も、成人式を終えたばかりの女性がグループで来て、こんなにも甘いビールがあるのか、とか、スッキリして美味しい、とかのダイレクトな反応がたまらないですね。
 

【高橋 雄一郎氏(高円寺「萬感」オーナー)】

クラフトビールを扱うと、いろいろ手間はかかりますね。扱ってまもなく1年になりますけど、まだ、分からないこともありますね。ただ、分からないから面白いっていうのもあります。まだまだ勉強したいです。
商材的な魅力としては、ストーリーが乗せやすいとか、季節感、地方感を出しやすいとか、幅があるのがいいですね。出し手の力が問われますね。思いつけば、色々な遊びができると思います。
 

【小畑 昌司氏(洗足「PANGAEA」オーナー)】

クラフトビールというか、ビールの魅力だと思うんですけど、味の幅が圧倒的に広いと思います。前菜から、デザートまで全て合うビールがあります。必ずあります。飲みものだけでもデザートができます。フルコース全てに合うビールがあります。分からなかったら相談して下さい。いくらでもお手伝いします。大手メーカーは1種類に絞っちゃいましたが、ビールは圧倒的に味の幅があるんです。それがクラフトビールの魅力だと思います。
 

【堀 輝也氏(有限会社ラフ・インターナショナル代表取締役)】

消費者により近いところでやっているのがクラフトビールの魅力だと思います。
 

【ベアード・ブライアン氏(ベアードビール代表取締役)】

クラフトビールは、小畑さんも言ったようにビールは潜在的な多様性が素晴らしいと思うんですよ。僕は、地ビールよりもクラフトビールがいい言葉だと思うんですが、それは、クラフトビールは職人が自分のためにやっているんですよ。自分が納得できるために。そこには人間の個性、人間の匂いが出るんですよ。そこがいいんですよ。
 
田中徹氏

【田中 徹氏(虎ノ門「クラフトビアマーケット」オーナー)】

お店をやってる立場としては、女性に気に入ってもらえる。特にフルーツビールですね。今までのビールのイメージがあればあるほど、クラフトビールとのギャップに感動してもらえる。お店でビックリしてもらうっていうのは、なかなか難しいと思うんですが、クラフトビールでは、お客さんに驚いてもらえる。そういうところがクラフトビールの魅力ですね。
 

【鈴木 真也氏(「ベイ・ブルーイング横浜」代表兼醸造責任者)】

今日、初めて仕込んで、危うく遅刻しそうになりました。毎回、違うビールを造ろうと思ってます。同じヴァイツェンでも、ボヘミアン・ヴァイツェンとか、チェコにしかスタイルとか、味をいくらでも作れるのがいいですね。今年は年間50種類くらい作りたいですね。すべて違うビールが作れるというのが魅力ですね。
 

【ライ・ベヴィル氏(Japan Beer Times 発行人)】

クラフトビールは、社会的というか、ソーシャルネットワーク的な楽しさですね。クラフトビールを媒介にして広がっていく。面白い人にも会えますし、友達もできますし。それが、クラフトビールの魅力ですね。
 

【藤原ヒロユキ氏(ビアジャーナリスト)】

僕は元々イラストレーターなんですが、自分の中で大事なものは表現だと思っているんですよ。大手のビールはある種のチームワークだと思います。でも、クラフトビールは、表現者の個性が強く表れていて、造り手の顔がハッキリ見える。それがクラフトビールの魅力だと思います。
 
こんな感じで、終了したいと思います。皆さん、ありがとうございました。
 

「クラフトビール大研究!」で得たこと

 
今回、「クラフトビール大研究!」イベントに参加してみて、本当に色々な方が、クラフトビールを造り、売り、飲む人を楽しませているんだ、ってことを実感しました。
その個性の強さは、まさにクラフトビールの多様性にも通じるところがあって、パネリストの方々は皆自分自身の個性がハッキリしていて、言うことにブレがありません。実践に裏付けされた自信と意思が見え隠れします。聞いていて、とても清々しく気持ちの良いものでした。そのようなイベントをレポートする機会に恵まれたことを感謝します。
 
以下、印象に残った言葉。
  • 【ベアード・ブライアン氏(ベアードビール代表取締役)】
    意思があるところに方法がある。
     
  • 【田中 徹氏(虎ノ門「クラフトビアマーケット」オーナー)】
    クラフトビールは女性に気に入ってもらえます。
     
  • 【鈴木 真也氏(「ベイ・ブルーイング横浜」代表兼醸造責任者)】
    2012年、なぜクラフトビールが来るか。それは、僕が免許を取ったからです!
     
  • 【能村 夏丘氏(高円寺「高円寺麦酒工房」オーナー)】
    クラフトビールは焼きたてパンのようなビール。
     
  • 【高橋 雄一郎氏(高円寺「萬感」オーナー)】
    飲食店としてクラフトビールは魅力的だし、儲かる商材です。
     
  • 【小畑 昌司氏(洗足「PANGAEA」オーナー)】
    ビールは味の幅が圧倒的に広く、すべての料理に合うビールが必ずあります。
     
  • 【堀 輝也氏(有限会社ラフ・インターナショナル代表取締役)】
    生だけじゃなくて、ボトルビールも来てますよ。
     
  • 【ライ・ベヴィル氏(Japan Beer Times 発行人)】
    クラフトビールはソーシャルネットワーク的な飲み物ですね。
     
  • 【藤原ヒロユキ氏(ビアジャーナリスト)】
    クラフトビールは造り手の顔が見えてくるのがいい。
 
最後になりましたが、このイベントを企画していただいたフードスタジアムさん、そして、お忙しい中、イベントに出席していただいたパネラーの方々、見事な仕切りをしていただいた藤原ヒロユキさまには感謝をこめてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 
さて、2012年、クラフトビールは来るのか。それは、今、このページを読んでいるあなたにかかっています!
一緒にクラフトビールを楽しみましょう。(^_^)
 
 

 

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